妻が、いつもの時刻に起きない。疲れているのだろう。かなり遅れて、彼女は店舗に向かった。
本業の仕事を進め、昼食をとった。
パン。コーヒー。ゆで卵。ピクルス。パンはせいわやのカンパーニュ。大きいので、ちょっとずつスライスしながらもう2週間ほど冷蔵庫にある。熟成してうまくなっていく気がする。
食べ終えて、店舗に向かった。途中、銀行に寄った。両替機で1000円札一枚を10円玉100枚に両替した。
続けてATMのペイジーで税金を払った。3つ向こうのATMで、高齢で足元がおぼつかない、しかしきちんとしたスーツとハットを身につけた男性が、銀行の職員に介護されるようにしてATMを操作していた。ここでは電話はかけられないんです、と職員が大きな声でゆっくりと言った。視線を落とすと、詐欺防止のためATM近くでは電話禁止、と張り紙がしてあった。
男性は先端が4本足になっている杖を突いていた。大きな声で大阪弁でしゃべっていた。船橋で大阪弁を聞くと違和感がある。私はもう大阪弁をしゃべっていないつもりだが、パン屋でお客さんに「大阪の方ですね」と何度か指摘された。
店についた。妻は疲労の色が濃く、のんびりと作業していた。食洗機に洗いものを放りこんだ。原料を収納しているラックを整理した。ミキサーとスクリューを洗った。作業台を拭き上げた。
オーブンが焼成を終えたサウンドを奏でた。ゾンネンブルーメンが焼き上がったのだ。様子を見に行った妻が「5分追加した」とつぶやいた。