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日記

守銭奴になりたくて会社辞めて起業したオジさんの末路

個人が法人を使ってリッチになるハックについて書いた。その続き。

サラリーマンのころに「お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方」をはじめて読んで衝撃を受けた。汚い。みんな整列して順番を待ってるのに、しかも順番はどうやら回ってきそうにないのに、目指すその場所に裏口から入っていく者がいる。守銭奴だ。

同時に、その裏口がとても魅惑的だった。

夢は破れ、周囲には人を利用することしか考えていないヤツばかりだった。どうやら自分は自分で思ってたよりも劣っていた。人生が行き詰まっていた。しかし、裏口から経済的な自由を手に入れれば、人生を逆転できるかもしれない。

並びたいヤツは並べばいい。オレは守銭奴になる。やけくそで列を離れて裏口を目指した。すると、いろいろなことがわかってきた。

マイクロ法人を使おうが使うまいが、個人が自己の人生を最適化するための活動にキレイも汚いもない。社会が変動すれば、個々人は生き残るため利己的に変化に適応する。その結果として、社会そのものもいい感じになっていく。フリーランスで自由に仕事する人が増えれば、社会は良くなりそうじゃないか。このへんの話は「貧乏はお金持ち」にも載ってたっけ。それでも日本はもうダメ、とも書いてた気がするけど。

商売で利益を上げようとするなら、必ずお客さんの要望に応えなければならない。それはつまり、人の役に立つ、ということ。他社の、社会の役に立つから利益が返ってくる。「自分さえよければいい」だと、商売は行き詰る。自分だけ生き残ろうとする守銭奴に、カネを払う人はいないんだから。

そんなわけで私は、セコく小銭をため込む守銭奴じゃなく、必死でお客さんのために夜遅くまで仕事してる零細企業のひとり社長になったのでした。この4月で8期目に突入。

アイキャッチは妻が焼いたノアレザン(レーズンとくるみ入りのハードパン)。α7IVとSIGMA 28-70mmF2.8で。