千葉県船橋市高瀬町の京葉食品コンビナートに、サッポロビール千葉工場がある。そのすぐそば、南岸壁に、3代目南極観測船しらせが係留されているという。
で、しらせとサッポロビールを一度に見学できるツアーがある。そんなおもしろそうなの、参加せざるをえない……!
参加には予約が必要。1人1,000円。南極観測船とビール工場を一度に見学できるという、ここ船橋市でしか実施できないツアーだからか、予約は埋まりがち。
サッポロビールの送迎バスでしらせへ
津田沼駅前から無料の送迎バスで30分ほど。
サッポロビール千葉工場に到着。もうすぐ31周年という。
受付を済ませたら、しらせへ案内される。
3代目南極観測船しらせ。正式には、退役後に「SHIRASE」と改名された。
SHIRASEに乗り込もう
SHIRASEに乗込む。先頭のオレンジ色のシャツの方に案内していただく。退官した元自衛官で、実際にしらせで南極に行かれた方もいた。
乗り込む。旅客船ではないので、扉は狭く、階段は急。そういったところも楽しみたい。
スクラップになるところだったしらせ あの出来事のおかげで助かった?
乗船したら、まずは会議室で軽くSHIRASEの解説がある。
- 日本で3代目の南極観測船
- 全長134メートル、全幅28メートル、3万馬力
- 就航1983年、退役2008年
- 日本と南極との間を25往復した(昭和基地への接岸は24回)
など。
で、退役後、行き場が無くスクラップとなる運命に。……しかしリーマンショックによる鉄くず価格の下落で、解体しても赤字ということでしばらく放置。そうこうしているうちに株式会社ウェザーニューズが引き取ることになった。
よかったねしらせ……!
南極観測員の生活に触れてみよう
それにしてもSHIRASEは大きい。なぜこんなに大きいのか。さっそく見学開始だ。
まずキッチン。キッチンから大きい。
こんな大部屋が複数ある。現役時の乗員の生活のようすも写真で展示されていて、なんだか楽しそうだった。
寝室。
病室。日本を出港して帰ってくるまで、151日間。約5ヶ月。当然、病人も出るだろう。
簡単な手術ぐらいなら船内でできた。そうでない場合は、最も近い病院があるケープタウンまで患者をヘリで空輸することもあったという。
歯科室。当然、歯医者も必要か。
理髪屋さんもある。当然必要か。
とはいえ、お医者さんのように、正規の理髪屋さんまで南極に乗せていく余裕はない。出港前に、理髪担当の自衛隊員が、街の理髪屋さんで数日間だけ修行したという。タイガーカット(虎刈り)とはシャレが効いてる。
船員の部屋。
多数の船員が5ヶ月生活するわけで、その最低限を丸ごと船に積まなければならない。だからSHIRASEはこんなに大きいのか。
ヘリポートや救命艇を見る
甲板に出た。ここはヘリポート。2トンほど積める大型ヘリを2機、観測用の小型ヘリを1機、搭載していた。
ヘリ格納庫。
吊り下がっているのは緊急時の救命艇。乗り込んだらフタが閉まり、水は入ってこない構造。バッテリーなども積載している。実際には活躍する機会はなかった。
上のほうにある 観測小屋。南極近くになると氷に覆われ、側面のハシゴは役に立たない。内部に昇降用の階段がある。
船橋(ブリッジ)から船橋の海を眺める
船橋。ブリッジ。ロマンがある。
あっ、向こうにあるあれ!
ロマン度マックス。ハンドル。ホワイトベースにもこんなのあった。
南緯55度を超えると手当がアップ! するので大事なことらしい。
ブリッジから東京湾を望む。スカイツリーが見えた。今回は見えなかったが、富士山が見えることもあるという。
しかし南極では視界一面の氷。厚さ1.5メートルまでは普通に船は進むが、それ以上になると氷が割れず、船は止まる。止まると、数十メートル下がって、前進して勢いつけて氷を割る、というのを繰り返して船は進む。朝も晩もそれをやる。乗ってる人、大変……!
退役後も活躍を続けるSHIRASE
さっきの観測小屋を反対から。
メンテ中。
というわけで、想像以上に楽しかったSHIRASE。70分ほどのツアーだが、正直ぜんぜん時間が足りない。もっと見たい。
1日がかりでSHIRASEを体験するイベント「チャレンジングSHIRASE」というのもあるそうで、ぜひ参加したい。
サッポロビール千葉工場を見学する
SHIRASEの見学後は、サッポロビール千葉工場へ。全体的に光が弱く、撮影に適しておらず、いちばんの見どころであるパッケージングの設備は撮影禁止なので写真は省略。
見学後はいよいよビールの試飲。ビール工場で飲むビールはなぜこんなに美味いのか。ビールそのものは同じものらしいが。鮮度とか、注ぎ方とか、違うのだろうか。
というわけでとても楽しめたSHIRASEとサッポロビール千葉工場のコラボツアー。
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