@marksardさんが開発された、Treadstone32 Liteという自作キーボードを組みました。2ヶ月使い続けたのでレビューを書きます。
組み立てもキーマップ編集もイージーな30%キーボード
パソコンはじめて25年ほどなのにタッチタイプできませんでした。
指が硬くて動きが悪いからでは? キーの数が少ないキーボードを使ってみたらどうだろう? ということでCorne Cherry Lightを組みました。
その目論見は大当たりで、ようやく完全なタッチタイプを習得でき、作業がすごく効率化しました。
しかしながら、
- 分割キーボードは位置合わせが手間
- 親指は思ったより器用じゃないからキーを3つ担当はかわいそう
- もっとキー数を削減してみたい
という課題が見えてきました。
そこへ、Treadstone32 Liteがのリリースのお知らせ。上記の課題、全部クリアできます。
Treadstone32には興味があったものの、組み立ての難易度が高くあきらめていましたが、Liteはかなり簡単みたい。
さらにはキーマップの編集が容易になるVIAに対応したということで、買わない理由がなくなりました。
ルーペとクリップアームでpromicroの半田付けが簡単に
で、キーボード本体の前に、まずはpromicroから。
promicroというか、もげ対策の工程を省略したく、かつ環境をUSB-Cに統一したく、ELITE-Cにしました。
▼ELITE-Cにコンスルーを半田付けする
▼できた
実は前回のキーボード作成で、最大の難関がpromicroでした。ピッチが狭くて、老眼には辛い。
今回はその対策として、ルーペとクリップアームを用意しました。これが大正解。あれほど苦労した半田付けが2分ほどでサクッと完了しました。
キーボード組み立て ソケット化のおかげでミスをリカバーできた
▼Treadstone32 Liteに入っているもの
上の写真に写ってないパーツがあって、それはリセットスイッチなんですが、箱にしまったままで、結局最後まで取り付けを忘れてしまいました。
▼Mill-Maxとスイッチ
これらはTreadstone32 Liteに入っていません。
基板にMill-Maxを半田付けすることでソケット化し、スイッチを取り外しできるようになります。
スイッチは、NovelKeys Cream。
▼ルーペとピンセットが役に立つ
パーツは小さいですが、ルーペとピンセットでそれほど苦労せず。
▼失敗例
なんかおかしいな、と思いつつ組んでたんだけど、なんと基板とスイッチの間にマウントプレートを入れるのを忘れていました。
ソケット化してたので手で取り外してやりなおし。直接半田付けしてたらリカバリ無理でした。ああよかった。
コンパクトな30%キーボードが完成
というわけで完成。ホームポジションからほぼ動かなくていいのでラク。机も広くなって快適。
Treadstone配列については、設計者の@marksardさんの記事に詳しい。
一体型でありながら、独自の配列のおかげで肩が開きやすい。自作キーボードは、開発者の工夫やこだわりを身近に感じることができて、それがまた楽しいのです。
32というキー数については、ぜんぜんなんとかなります。指が硬いから、キー数が多いキーボードよりも快適です。
トラブルとその対策
キーキャップはアマゾンで購入した適当な安物。バリがあって、本体フレームと干渉してキータッチが悪化するので、やすりで削ったら解消しました。
しかし見た目がパッとしないことに変わりなく。カッコいいやつをそのうち入手したいです。
「/?」キー、なぜか入力しても反応しないことがあって、半田付けの不良を疑ったが問題なし。このキーは他のキーと同時押しでctrlキーになるのですが、その設定がうまくいっていないのかな。しかしそもそも設定をいじってないんだよな。
そのうち、叩きつけても反応しなくなったので、スイッチを交換したら解決しました。スイッチの不良でした。そういうのもあるのか。
VIAでキーマップを編集する
キーマップをMacのアプリのVIAでボチボチ編集しています。VIAの操作については、サリチル酸さんの記事が詳しい。
▼レイヤー0はいじらず
▼レイヤー1はこう
日本語と英数の切り替えをトグルでやるのがいやで、Lower+Bで無変換とし、Karabiner-Elementsで英数キーを割り当てました。
かなは、Raise+Nで同様に。
カーソルはこちらに。
▼レイヤー2
数字はすべて片手で入力したく、こんな感じに。
ファンクションキーはあんまり使わないから適当に押し込んだ。
▼レイヤー3
ほぼ使わないのだが、ボタンやホイールは活用すると便利なのかな。
配列とレイヤーに慣れたら効率が爆発的にアップした
組んでから2ヶ月。このキーボードをだけを使い続けています。配列に慣れ、レイヤーが頭に入ると、爆発的に作業効率が上がりました。
普通の一体型キーボードはどうしてもTとY、BとNを打ち間違えてしまうのですが、treadstone配列ではそれがありません。
32という少ないキーの数でフルキーボードと同じことをやるため、このキーボードだけのいろいろな工夫があるんだけど、それを理解して体で覚えると、使いこなせるようになっていきます。
ちょっとキーマップを編集し、キーボード右側にテンキーをおさめたので、ホームポジションを維持しつつ、片手でエクセルなどに数値入力できて快適。
矢印は左手の担当。コントロールキーを左小指で押せるので、コントロール+上下左右が、これもホームポジションを維持しつつ自在です。Macだと、これが便利すぎ。
カットコピペも、コントロール+Aで文頭、同様にEで文末も、ぜーんぶホームポジションで、完全にタッチタイプでやれます。なんて快適……!
Corne Cherry Lightでもかなり効率が上がりましたが、さらに上がったんじゃないでしょうか。
長時間、キーボードだけをタイプし続けるなら肩が開く分割型がいいのですが、机上では意外にキーボードが邪魔になります。
机上のスペースを空けたいとき、驚異的に小さいこのキーボードだと、片手でつかんでどける、というのが簡単。分割型は、これがけっこう手間。再度キーボードを使うとき、位置合わせするのも手間。
親指シフトをやめたのもプラスに働きました。日本語だけを延々と入力するなら親指シフトもいいんだけど、意外にそういう場面は少ないのです。
このキーボードをiPhoneやiPadでも使いたく、ケーブル繋ぐとやっぱり電力問題で使えません。viaを捨て、config.hを編集してqmk firmwareで書き込んでみたら使えたけど、今度はキーマップを編集できるほどのスキルがなく……
- 2020-08-29初出
- 2020-09-18改訂
- 2020-11-04追記