ネタバレしないように感想書きます。しかし、作品の方向性なんかはある程度わかってしまうかも。未見の人はこの記事読まないほうがいいです。
MCU版スパイダーマンには違和感あったよね
クモにかまれて能力を得た。大いなる力には大いなる責任が伴うことを痛感した。そしてNYを守る親愛なる隣人として活躍する。
それがスパイダーマンのはずなんだけど、MCU版ではそのへんをはしょっていきなり能力者。過去作で散々やってるからそこはもういいでしょ、ということ?
役割はアイアンマンの後継者、みたいな位置付け。どこからどこまでがスパイダーマン本来の能力で、どこからがスタークのスーツによるものなのかが曖昧。MCUはヒーローの誕生をていねいに描いてきたはずなのに、これでいいのか。
と、第1作と第2作では思ってました。
そして本作。ピーター・パーカーはさまざまな試練を乗り越え、エンディングにおいてやっと「親愛なる隣人」のスパイダーマンが誕生したのでしょう。
あるいは、MCU版への出張を終えたスパイダーマンが、SSU(ソニーズ・スパイダーマン・ユニバース)に帰っていく、ということかもしれません。
思春期の終わり
本作の戦いは、ピーターの自己責任です。そういう意味では、アイアンマン3(主人公が人をおちょくったのが元凶)やバットマン・ダークナイト(主人公が変なこだわりでジョーカーにとどめを刺さないのが元凶)やバットマン・ダークナイトライジング(主人公が自宅の地下で核融合遊びをしているのが元凶)に通じるものがありますね。お前が悪い。
しかし、本作の主人公は少年。いい歳した金持ちじゃなく。だから失敗もまたいい。そして後悔を抱えつつ、自分で責任を取り、前に進むわけです。大人になるには、別れがつきもの。
ハッピーエンドではないんだけども、悲劇じゃない。思春期の終わり、ってやつですね。
それにしても、マルチバースの設定を本作ではあっと驚く手法で生かしており、予備知識無しで観たらほんとに驚いたし、散りばめられたネタに笑いました。