千葉県香取市に、佐原という町がある。
かつて水郷の町として栄え、「北総の小江戸」と呼ばれ、今でも土蔵造りの商家や町屋が並び、歩けば江戸時代の雰囲気を感じられる、という。
ぶらっと歩いてきた。
佐原駅から小野川を目指す
▼JR佐原駅前
船橋市内の住処から2時間弱。まだ3月半ばだけど、歩いてると汗ばむぐらいいい天気。
▼駅前に掲示されている絵図
これ眺めてるだけで30分は消費できるが彼女がキレるから先を急ごう。
古い町並みは小野川沿い。そこまで駅から10分ほど歩くのだが、
すでにクラシカルで趣が深い。
スマホを眺めれば世界は騒がしいが、
次第に意識は佐原の町へ集束していく。
パンデミックや金融危機よりも、こちらがリアルで忙しい。
植田屋で江戸時代に飛ぶ
▼唐突に木造家屋の町並みがはじまる
▼カッコいい……
▼植田屋荒物店
創業は宝暦九年。1759年。250年前。江戸時代中期。時空がゆがむ。入店してみよう。
▼植田屋公式
カゴ、ザル、箸、食器などが並ぶ。
▼店を通り抜けて、中庭に出て、
▼奥の土蔵へ
こちらも店舗となっている。
ほほうと驚きながらあちこちを観察して店内をめぐる。
箸とお椀を購入した。
伊能忠敬に超人を感じる
佐原には、伊能忠敬の旧宅がある。
忠敬は、江戸時代に日本国中歩き、測量し、初めて実測による日本地図を完成させた人。
▼ウィキペディアを読み始めると60分ほど吹き飛ぶ
商人としても有能だった。町内にわき起こるめんどくさい問題に、実直に、粘り強く、取り組んでいく。
50歳で隠居し、55〜71歳までにまで10回にわたり測量し、日本地図を作り上げた。仕事ではない。幕府にお願いして、私財を投じて。
なぜそんなことをする。
歴史にはたまに、忠敬のように、「私」を極小にし「公」に生を捧げる人が登場する。いや、忠敬には測量と地図こそが「私」だったのか。
▼伊能忠敬の旧宅
時節柄、閉館。小野川をはさんだ向かい側には、忠敬記念館もあるが、そちらも閉管。残念。今度また来よう。
▼ジャージャー橋
テーマパークじゃない
佐原は観光地であるものの、テーマパークではない。あくまで、人々が暮らす、普通の町だ。
それがいい。
日本家屋はなんて美しいんだろう。
テーマパークや遊園地は、さあ楽しんでください、と強制されているようで、素直に楽しめない性分だ。
こんな歴史ある街並みをブラーっと歩くのがいい。
▼バス停
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