大人の男も夢を見て、自分探しをしたっていい。しかし現代日本では、いい年をした男が夢を語ると笑われる。
「オジさんが夢見てんじゃないよ」
と。
人生100年時代だ。50歳で、やっと道半ば。人生後半戦に備えて、夢を育て、本当の自分を「再発見」するのは、遅くない。
私は40歳前後に人生観を揺さぶることがあり、生き方を180度変えた。遅すぎる気はしたが、人生をやり直したくて、会社やめて起業した。遅すぎるということはなかった。今最高に人生が楽しい。
苦しくて、生きている意味を感じられない時期もあったけど、それを乗り越えるには、ノートが大いに役に立った。
生きづらくて、しかし夢を冷笑する大人の男へ。夢を発見し、育て、人生を変えるには、高価な情報商材や、有料のサロンは必要ない。ノートとボールペンと、少しの時間があればいい。
夫であり父であり上司であり 大人の男はツラいよ

大人の男はツラい。肉体は消耗していく。責任は重くなる。若年者からは目の上のタンコブ的にあつかわれる。
ふと「オレの人生これでよかったのか」「この先もこのままでいいのか」と心の声がささやく。フタをして気づかないフリをする。
もう大人だろ。現実を見ろよ。夫だったり、父だったり、上司だったり。立場、責任、しがらみがあり、それなりのふるまいが求められる。
でも、ずっとその調子だとストレスがたまる。自分にだけはうそをつけないのだ。家庭や職場にも、悪い影響が出る。
だから、大人の男だって、夢を見て、本当の自分を探してみよう。
性格診断がなんだかスッキリしない理由

今の自分は本当の自分じゃない。いろんなものを取り除いて、洗って磨き上げたら、本当の自分があらわれるはず。
そんな思いを持つ人が多いから、世の中には性格診断がこれほど多いのだろうか。お手軽なものから、有料で複雑で高度なものまで、本当の自分を発見できるツールとしての性格診断は、いつの時代も人気がある。
性格診断をしてみて、その結果に納得したり、しなかったり。
しかし、心の底から本当に納得できる性格診断が、今までにあっただろうか。
言ってることはわかるんだけど、なんだか納得できない。だからまた、違う性格診断をしてみたり、自己啓発本を読んでみたり。
それはもっともなことだ。
なぜなら、性格診断の設問に答える自分自身が、責任や立場やしがらみでがんじがらめ。本当の自分ではない自分が答えてる。そこから導き出される診断に違和感があるのも当然なこと。
性格診断には「素直に、深く考えず答えて下さい」みたいな注意書きがあるけど、それができれば苦労しない。
本当の私 夢 自分で発掘して発見するしかない

立場や責任やしがらみをはぎとった、本当の自分。
本当の夢。志。
それは、誰かが作ってくれた性格診断では掘り出せない。
自分で自分の中から発掘して発見するしかない。考えて、探すしかない。
だから、書く。書くと、考えるから。考えて書く、のではない。
書く自分は、立場や責任やしがらみに縛られてるから、最初はカッコいいこと書こうとして、うまく書けない。
でも毎日少しずつ書く。そのうち、書いてるときだけ、立場や責任やしがらみを忘れることができるようになる。
すると。自分でもハッとするような発見がある。
その積み重ね。だから、毎日ノートを書いて、考えることを習慣にしよう。
書き方は自由でいいんだけど、いきなり自由に書こうとしても書きにくいから、本当の自分や夢の発見に適したノート術を次にまとめてみよう。
4行日記で本当の自分を発見する
本当の自分を発見し、夢を具体化するのに最適な「4行日記」。
4行日記は、ホントに4行の日記を書くだけ。時間はかからないし、手軽。しかし、継続しないと意味がない。
書き方にコツがあるし、コツをつかむには慣れるしかない。最低でも3ヶ月は続けないと、効果らしきものは見えてこない。
効果は絶大だ。
私は4行日記で本当に自分がしたいことが、「会社やめて起業する」ことだと気づいた。
そんな大それたことしてはいけない、という思い込みがあったんだけど、43歳のときに会社を辞めてしまった。起業してもうすぐ5年目だが、なんとか食えてるし、会社員時代では考えられなかったほど毎日が充実して楽しい。
さらに楽しくしたいので、今でも4行日記は毎晩書いている。
スマートノートで思考を深め論理づける
ノートの見開きの右側から書き始めるスマートノート。
思考を深め、アウトプットするのに最適なノート術だ。ノートを毎日継続する、紙面をケチらずに書く、ちょっとしたアイデアを拡大して理論付けする、といった様々なしかけがある。
ノートに書いて考えるとき、
「もったいない」
が大きなハードルとなるんだけど、スマートノートでは紙面をケチらずにガシガシ書いていくための訓練もできる。
私も、左ページの上から、順序よく詰めて記入していたけど、思考するときはそのような書き方は邪魔だということに気づけた。
スマートノートは、見開きで一つのテーマを深く掘り下げ、理論づけていく。
考えることはけっこう疲れるし、普段いかに自分が考えていないかを思い知ることになるかも。1日に1見開き書くことを継続すれば、漠然とした疑問に答えを出していくクセをつけられるだろう。
モーニングページでずっとやりたかったことを見つける
朝起きたら、とりあえずなんでもノートに3ページ書く、というモーニングページ。
新版出てるのか。旧版は翻訳が今ひとつだったから再度読んでみようか。
モーニングページは、朝起きたらまず頭に浮かんだことをノートに書く。とにかく書く。書くことがないなら「なにも書くことがない」ということを3ページ書く。いくつかルールがある。
誰にも見せない(誰かに見せるならカッコよく書こうとしてしまうから)。最初の8週間は自分でも読み返さない(読み返すと自分で恥ずかしくなってカッコよく書こうとしてしまうから)。12週間は続ける。
会社行きたくないとか、なんでオレがこれだけ苦労しているのにアイツだけとか、醜い嫉妬や欲望で我々の頭の中は満たされがちだ。
ネガティブなそれらの感情を書いて可視化すると、いったんは放り出すことができる。すると、次には本当にやりたいことが、出てくる。スルスルと出てくる。
嫉妬や欲望をまずは手放す、というのは仏僧の修行のようでもある。私は苦しんでた時期に毎朝モーニングページ書いてて、その大半は恨みつらみや欲望や嫉妬だった。
「朝からこんなこと書き連ねてオレは大丈夫か」という疑問もあったんだけど、続けてたら不思議と妄想が減って、集中力が上がった。
書くことで、頭の中でグルグル回っている醜い感情を、いったんは客観視できるからだ。毎朝、これをやることの効果は絶大だ。
ノートを書くのは自分探しの旅をしているようなもの
人生の歩を進め、歳をとるということは、親、教師、上司、そして世間から、教育されるということなのかもしれない。より良い社会生活を送るために、その教育は必要なことだ。
しかし、何度も何度も価値観を上書きされ、立場や責任といったものがついて回るようになる。
本当の自分を見失い、やりたかったことが埋もれ、ストレスの元となる。
大人の男ともなれば、家庭や仕事に何らかの責任を負っているはず。それらを全部放り出し、自分探しの旅に出かけることはできないが、ノートを書くときぐらいは、責任や立場を放り出してみよう。
そして、本当の自分や夢を発見してしまったら、それはそれとして大事にしまっておいてもいい。
実現すべく行動に移してもいい。
実は、自分について回る立場や責任って、不変のようでいて、常に移り変わっていく。親はいずれいなくなるし、子どもはあっという間に巣立つし、会社は定年でいずれ去ることになる。
立場や責任が変化しても、人生は続く。でも、自分の軸が明確になっていて、夢に向かって行動していれば、環境がどう変化しようと、うろたえずにすむ。
人生を旅とするなら。どこから来て、今どこにいて、これからどこに行きたいのかを、記録しておけば迷うことはない。