バイブルサイズのシステム手帳をフランクリン・プランナー的に使っています。
フランクリン・プランナーは、より良い充実した人生を送るためのツールです。その基礎となるのが「価値観」です。
私は「価値観」を書き出したリフィルを毎朝読みます。長い時間をかけて修正を続けているからか、自分の感覚になじむ良い文章です。
読むだけで、気持ちよく、頭にかかった霧が晴れていくような気がします。毎朝「これが自分なのだ」と気持ちを新たにして、1日をスタートします。
長い時間をかけて自分を観察して発掘する
価値観とは、フランクリン・プランナーの解説によれば、
- 自分がどんな人間なのか
- 自分は何を大切にしているのか
- 自分はどうしているときに幸福を感じるのか
といったことを明確にしたものです。
価値観は、自分を観察し、自分の中から探し出すものです。
「これがそうじゃないか?」というものを探し当てるまで、長い時間を要します。だから、手帳に書いて毎日読んで、加筆修正するのです。
ここまでは、公式や書籍の解説に書かれていることです。
自分で自分のことを知っているようで何も知らない
ここからは、「価値観」への私の考えです。
私たちは、自分のことを知っているようで、実はなんにもわかっていないのではないでしょうか。だから迷うのです。本来の自分に適していない道を選んでしまい、人生を大きく回り道します。
価値観は、恐らくは生まれ持った特質であり、自分の性格や生き方をかたち作っています。
価値観は、生まれてから死ぬまでに、大きく変化はしません。
社会生活で価値観は上書きされていく
親や学校や職場から受けた影響で、価値観は「上書き」されていきます。小学、中学、高校、大学、職場。長く生きるほど、上書きの回数が増えます。
しかし、生まれ持った本来の価値観は不変です。だから、本来の価値観と、上書きされた価値観が反発すると、ストレスが増えて生きづらくなります。
本来の価値観が自分をかたち作っているのに、それが自分でも見えず、何度も上書きされた反対の価値観で物事を判断してしまうからです。
自由が好きなのに「自由などダメだ」と思い込んで苦しむ
私の場合だと、価値観は「自由」です。自由を最も尊びます。
しかし30代後半まで「会社組織に所属して生きていくのが大切だ」という、上書きされた価値観に支配されていて、苦しみました。
私は自由が好きなのだ、と気づいてからは、自由になるために行動し、会社をやめ、起業しました。
それ以来、ずいぶんと生きるのが楽になりました。ストレスが減り、性格も穏やかになりました。
価値観は正義ではなくてそれぞれの優先順位
価値観は、正義ではありません。
私にとって大切なのは「自由」だったので会社を辞めました。
しかし、組織に属して何かを生み出すことを大切にしている人がいることも、知っています。だから会社勤めしている人を「社畜」などとさげすむことはしません。
同じく、会社勤めしている人から、私の生き方を非難されるいわれもないのです。
どうやって価値観を発掘するのか 4行日記を続けよう
私が、自分の価値観が自由だと気づけたのは、「4行日記」を書き続けたからです。
- 事実
- 発見
- 教訓
- 宣言
の4行で構成するこの日記を書き続け、4行目の「宣言」を読み返すと、自分が何を大切にしているのかが、見えてくる。これが4行日記の仕組みです。
日記は1日に1回書けばいいので、時間はかかりません。習慣化には、それほど苦労しないでしょう。
3ヶ月分の宣言がたまれば、読み返すのが相当に面白くなります。そして半年、1年と積み重ねれば、本来の価値観のかたちが見えてきます。
的確に言語化するため紙に手書きで修正し続ける
自分の本来の価値観が見えてきたら、文章化してみましょう。毎日、読みましょう。
気づきがあれば、書き込みます。違和感があれば、赤ペンで修正します。
価値観の書き出しを、デジタルでやってはいけない理由がここにあります。パソコンやスマホで書くと、何度でもきれいに書き換えることができて、文章に芯が通らないのです。「見た目はきれいだけど完成度の低い文章」を、いつまでも編集し続けることになります。
言葉の微妙なニュアンス。句読点の有無や場所。漢字かひらがなか。接続詞はこれでいいのか。紙に手書きだと、迷いと決断の連続です。しかし、だからこそいいのです。考えるとは、そういうことなのです。
しばらくすれば、リフィルは真っ赤になっているかもしれません。年や期が変わるタイミングで、新しく書き換えましょう。
そしてまた、読んで気づきを書き込むことを繰り返すのです。文章化した自分だけの価値観は、少しずつ洗練されていきます。
価値観を明確にすれば迷わない
価値観を言語化して手帳に書き、毎日読むことで、また新たな発見があります。加筆修正しながら、価値観は的確になっていきます。
これほど価値観を大事にするのは、迷わないためです。間違った選択をしないためです。
会社を辞めたくなったときに、自分の価値観が明確なら次の行動に迷わなくなります。
自由が好きなら転職でなく起業の準備をしたほうがいいのかもしれません。チームで何かを作り出すのが好きなら、自分に合った職場探しをするべきでしょう。
結婚だって、価値観が明確な者同士なら失敗の可能性が減らせます。会社を辞めて起業したい人と、パートナーには会社勤めしてもらいたい人とが結婚しても、うまくいきそうにありません。
2021年1月現在の私の価値観
2021年現在の、私の価値観は次の通りです。
- 自由でいる
- 何にも束縛されず、自分の時間の使い方を自分で決めたい。
- 何を信じるのか、どう判断するのか、自分の頭で考えて決めたい。
- 怒りや欲望にとらわれずに、目前のやるべきことに集中したい。
- 家族を愛する
- 見返りを期待せず、期待されずに、家族を愛したい。
- 挑戦する
- やっても成功するかどうかわからないことに力を注ぎたい。
- 創作する
- 文章を書いて多くの他者に読んでもらいたい。
- 健康でいる
- 愛する者の隣に長くいるため健康でいたい。
自分が欲することを素直に言語化したく、「こうするべき」という表現を避けて「こうしたい」という書き方にしています。
「自由」とは特に難しい概念なので、複数の項目に分け、どう自由でいたいのかできるだけ具体的に言語化しています。
カッコつけず、できるだけ平易な言葉を選びました。とはいえ、「愛する者の隣に」とはこれまたカッコつけてる気がするのですが、他にいい言葉がないし、自分の素直な気持ちだし、今のところはこれで。