ノックスのLUSSO(ルッソ) ミニマルなシステム手帳バインダーに夢をはさみこむ

ポケットが一切ない、ミニマルな一枚革のシステム手帳バインダー、ノックスのLUSSO(ルッソ)を購入した。

このバインダーの存在に気付いたときはすでに生産中止。メーカーにも在庫無し。文具店や百貨店をめぐり、なんとかひとつだけ確保できた。

欠点も多く、決して使いやすいとはいえないが、オンリーワンの存在感があり、手放せない。使い始めて2年が経過したから、どんなエイジングをしているか追記した。

美しく無骨なルッソのフォルムを楽しむ

トレードマークのバクが歩く化粧箱

LUSSO(ルッソ)とは、イタリア語で「さりげない贅沢」という意味だ

「イタリア植物鞣し本革組合」認定の名門タンナーで作られたショルダーレザーを一枚仕立てで作ったバインダー。

タンニンなめしなので、エイジングが楽しめるだろう。

革一枚を切り出し、リングを縫い付けただけの構造。ポケットも、ベルトも、ペン差しもない。

クラウゼリングがガンメタルで重厚な雰囲気だ。

実は一枚革ではなく、リング周辺は革を2枚つかっている。革にバインダー金具を固定すると、背表紙側に金具が出てしまう。それを隠すため、このような構造になっているのだろう。

2枚の革が重なる部分は、革を薄くすくことで、厚ぼったくなることを防いでいる。ただシンプルなだけでなく、見えないところに手間をかけ、美しい一枚革のようなフォルムを創り出しているわけだ。

縫い目は、背表紙のこの部分だけ。

100%タンニンなめしのイタリアンレザーで独自の雰囲気

同梱のイタリア植物鞣し本革組合が発行する品質保証表示札。レザーの品質は一級品だ。

このような雰囲気のバインダーは、他にちょっと思いあたらない。

システム手帳ではないが、トラベラーズノートに似た雰囲気ではあるのだが、あれほどカジュアルではない。

2年使い続けたらこんなエイジングに

ルッソを使い始めて2年経った。

メンテらしいメンテはしていない。

ツヤを出したくないので、オイルやクリームは一度も塗っていない。

手が濡れていても、必要なら手に取る。

一枚革にリングを縫い付けただけの構造なので、開きは悪い。2年経っても手を離すとこうなる。

少しの使いにくさも、どうということはない。

毎朝、この手帳を開き、書き記した夢、というか長期目標を読み上げる。

縫製はタフで、ほつれはない。

荒々しい、実用本位の道具として、エイジングを重ねたい。

筆記具は、フリクションボールスリムとポイントノックを合わせている。

限られた単価の中でどこに価値を置くのか

ここからは推測。システム手帳という製品は、革や縫製やパーツ割りなど、どこにコストをかけるかによって製品の個性が出る。

最高級のコードバンを、日本の職人が手間ひまかけて作れば、当然いい製品ができあがるはず。しかし誰もが手に入れることはできない。多数のユーザーの手に届く製品を作るなら、革も縫製もコストダウンしなければならない。

製品の質もそれなりのものとなる。店頭で、1万円台と2万円台のバインダーを比較してみれば、安いほうは値段なりのものだということに気づく。

このルッソというバインダーは、限られたコストを「革」にすべてふった、尖った製品だ。材料費は高いはずだが、ポケットなどはないシンプルな構造だから、製造コストは低いだろう。

システム手帳があまり売れるわけでもない今の時代、こんなに尖った製品を発売した、ノックスの攻めた姿勢には拍手を送りたい。

しかし尖りすぎて市場の理解を得られなかったのか、すぐに製造中止となってしまった。予備をひとつ欲しいんだけど、もうどこにも見当たらない。

この記事を書いた人

カズナリ

カズナリ

雑記ブログ「カズログ」の中の人。1971年生まれ。180cm80kg。ブロガー/ひとり社長。ツイッターで捕まえた年が半分の嫁が自慢。好きなことは家族/会社経営/作文/筋トレ/写真/ノート術。