パナソニックのミラーレスカメラG9 PROには「ハイレゾモード」というのがある。
センサーシフトによる手振れ補正のメカを利用して、画素をずらして8枚の画像を撮影し、高画素数の画像を生成する仕組み。
G9 PROの通常の画像は2000万画素だが、ハイレゾモードだと最高で4倍の8000万画素の画像を得ることができる。
マジかよ〜、そんな魔法みたいなことできるの〜、ということで試してみた。
先に結果を書くと、確かに8000万画素にふさわしい、解像感ある高画質な画像が得られる。
しかし、8回シャッターを切る間、ピクリとも動いてはいけないわけで三脚必須。
そして当然、被写体も動いてはいけないから、ハイレゾモードを活かせる条件はかなり限られてくる……
ハイレゾモードの解像度とファイルサイズは?
G9 PROのハイレゾモードは記録画素数を次から選ぶことができる。
- XL 8000万画素 10368×7776
- LL 4000万画素 7296×5472
なお、通常の撮影だと、5184×3888の2000万画素。正直、これでも十二分すぎる画が撮れる。
また、ファイルサイズは今回みたいな写真だと次のとおり。
- XL 約29MB
- LL 約16MB
- 通常撮影 約9MB
8000万画素のXLサイズだとさすがに恐ろしい容量となる。
ハイレゾと通常撮影の写真を比較してみる
ではハイレゾモードと通常撮影の写真の比較。
▲こういった構図で撮影した
▲Lightroomで比較表示してみた
まず、そもそも2000万画素と8000万画素でどれぐらい大きさ違うの、と。
Lightroomで比較表示して「フォーカスをリンク」したらこんなにちがう。
縦横2倍で面積4倍というのは頭でわかっていても、実際に並べてみるとインパクトある。
▲「フォーカスをリンク」を切って画面上での大きさをそろえて比較してみよう
▲真ん中のマンションのあたり
この画像、Lightroomの表示のスクリーンショットをとって圧縮してるので8000万画素側もけっこう劣化してしまっているんだけども、元画像ではこれ以上に差がある。
▲ハイレゾモードすごい……
もうぜんぜん違う。
G9 PROよりもセンサーサイズが大きいあのカメラやこのカメラのサンプル画像と比べても、解像感負けてないような気がする。
んじゃ写真は全部ハイレゾで撮ればいいんじゃない? と一瞬思うが、それほどうまい話はそうそう転がっていなかった。
ハイレゾモードの弱点その1 8回シャッターを切る間動いてはいけないから三脚必須
8回、少しずつセンサーを動かして撮った写真を重ねて8000万画素の画を生成するのが、ハイレゾモードの仕組み。
だから、8回シャッターを切っている間はカメラは動いてはいけない。
G9 PROの強力な手振れ補正があるんだから頑張れば手持ちハイレゾいけるんじゃない?
と試してみたが、そもそもハイレゾモードは手振れ補正が切れるんだった。
今回の作例は塀に乗せたんだけど、実際の撮影ではそうそう都合よくカメラを乗せる台はないだろうから三脚は必須となるはず。
ハイレゾモードの弱点その2 8回シャッターを切る間は被写体も動いてはいけない
8回シャッターを切る間、被写体も動いてはいけない。
▲被写体が動いた例
下の道路、奥の車線を走ってる車がコマ送りに。
▲被写体が動いた例その2
下の道路の信号が変わり、走り出した車がコマ送りに。
また、木々の葉の描写も、一部がブレている。風が吹いて揺れたんだろう。
そんなわけで、三脚必須で動かない被写体となると、ハイレゾモードを使える条件はかなり限定される。
ハイレゾモードの存在意義は?
デジカメwatchの開発者インタビューで、ハイレゾモードの解説があったのでリンク。
以下、一部を引用。
——画素ずらしは0.5画素ですか?
櫻井:まずベイヤー配列を補う形で、元の位置から1画素づつずらした画像を4枚撮影し、元の位置から0.5画素ずらした位置でまた同様に4枚撮影、計8枚を用いて合成します。
(中略)
櫻井:1画素づつずらして4回撮影するだけの場合は解像感が上がりますが、画素数はそのままになります。この機能は、小型軽量なマイクロフォーサーズシステムを採用している当社カメラでも、圧倒的な高画質かつ高解像を実現する事が目的でしたので、こちらの方法を採用しました。
4回撮影にしておけば、被写体ブレも半分には収まるはず。
しかし、あえて「圧倒的な高画質かつ高解像を実現する」ために8回撮影にした、ということか。
G9 PRO、キットレンズ(LEICA DG VARIO-ELMARIT 12-60mm/F2.8-4.0)の良さもあいまってか、そもそも通常の2000万画素の撮影でもいい画を出してくれるカメラだ。
画質上げようとして、無理にハイレゾモードを使うこともないだろう。
通常の撮影を楽しんだ上で、条件さえそろえば「圧倒的な高画質かつ高解像」のハイレゾモードもあるよ、ということで。
でもやっぱり、ハイレゾがキマッた写真を見ると、麻薬のような快楽がある……
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