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日記

HUNTER×HUNTER 37巻を読んだ

マンガというメディアは、表現の可能性が無限大なんだな。ハンターハンター読んでるとボーッとそんなことを考えてしまう。

このマンガ、字が多すぎて小説みたい、というレビューが多いけど、小説には「視点の統一」という縛りがある。マンガにはそれがないから、小説的には読めない。複数の登場人物が何やって何考えてるかが、絵と文字で重層的に詰め込めるので、理解しながら読もうとすると大変に時間がかかる。

いや、ウソつきました。理解できてません。あきらめてます。複数回読むと、あっそういうことか、と理解が進むことがあるけど。まあそんなんでいいよ。おもしろいから。

王位継承戦、当初は上流階級の政略と謀略に念バトルをプラスしたお話かと思いきや、裏世界を仕切るマフィアと蜘蛛がからみ、話ふくらみすぎじゃね、風呂敷どうたたむの、と思ってたら、なんと被差別民まで登場して頭がクラクラしてきました。

政争劇を描くのに、なぜバカバカしいほどでかい船に20万の民を同行させるのか。人の社会の一部をタテに切り取って、それを丸ごと取り出して、絶海に放り出したら何が起こるのか、という試みなんですね。だから王から被差別民まで、社会の上から下まで描かなくてはならない。

同作者の「幽遊白書」の終盤にもあった、どう転んでもハッピーエンドにならないよね、というダークな雰囲気が大好きなんですけど、王位継承戦にはあれが特に濃厚で、次巻が待ち遠しいのですが、やはり4年ぐらいかかるんでしょうか。