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日記

きっと10年たっても転記している

月の初めが忙しい。関係各社から送られてきた数字ををもとに請求書を作るタスクがあるから。数字は、伝票に印字されているか、伝票に手書きされている。それを、自分のMacのエクセルで集計する。時間がかかる。

ローテクな業界だ。みんな、紙の伝票を送りたがる。こちらは紙の伝票はイヤだ。伝票には「原本」という価値があって、法的にも公文書という位置付けだ。伝票の数は多い。1枚でも紛失すると大ごとだ。触れないに限る。

だから、原本のPDFをメールでもらう。それをポチポチとエクセルに入力する。21日の伝票があるはずなのに無いじゃないか。送り忘れか。急ぎだから電話で催促しよう。この伝票の手書きの数字が判読できない。急ぎだから電話で確認しよう。あっという間に時間が溶けていく。

お客さんによっては、クラウドのシステムに数字が入力されている。それをダウンロードして加工すれば、伝票から転記しなくていい、とひらめいた。天才だなオレは。これでラクになった。と思いきや、その数字は誰かが伝票から転記している。必ずヒューマンエラーがある。原本である紙の伝票の数字が絶対だ。エクセルの表が正しいかどうか、伝票PDFを突き合わせてチェックする工程が必要だ。そんなにラクにはならなかった。

請求書の根拠となる数字を弾き出すデバイスはローカルにあって、クラウドにつながっていない。それが元凶だ。デバイスからは、必ず紙の伝票が打ち出される。誰もが名前を知っている、あの業界最大手の取引先でもそうだった。紙に打ち出された数字は、どこかで人間が転記しなければならない。

この業界の仕組みは、10年たっても変わらない気がする。だったらこちら側の作業を自動化できないか研究しているけど、そういうの苦手で。MacOSのAutomatorでなんとかならないか。ちょっとまだ難しいか。AIか。でも、たとえばSiriって、そういう処理ができるほうに発展していくんだろうか。