kzlog

日記

銚子電鉄に乗り 外川と銚子駅前を散策する

銚子に出張した。犬吠埼で宿泊した翌日、時間が空いてしまった。じゃあ銚子電鉄に乗ろう!

犬吠駅に車を止めて戸川駅まで歩く

▲銚子電鉄犬吠駅

宿泊した犬吠埼ホテルから最寄りの銚子電鉄駅である犬吠駅へ。駅前の無料駐車場に車を止めた。

▲こじんまりした田舎町を単線が走る

今日の計画はこうだ。

犬吠駅から一駅先、銚子電鉄終点の外川駅までぶらぶら歩く。外川駅周囲をブラーっと散歩する。

外川駅から、銚子電鉄起点でありJR銚子駅に接続する銚子駅まで乗車する。

そして、銚子駅周囲をまたぶらぶらする。

見知らぬ町をブラブラ歩く。あれはなんだ。なんでこんなことになってるの? おどろきつつ、歩く。楽しい。

満足したら銚子駅から犬吠駅まで乗車して戻ろう。

▲1990年に完成したポルトガル宮殿風建築の駅舎

犬吠駅、古びてはいるが南欧風の小洒落た駅舎だ。しかし銚子電鉄の真の姿は、こんなものではないのだった。

▲デハ3000形が行く

線路沿いの道を、行く。

同じ日本とはいえ、知らない土地に行くと建物の様式がなんだか違う。大げさにいえば異国を感じる。

100年前の駅舎と70年前の車両に時空が歪む

▲外川駅舎

10分強も歩けば、外川駅に着く。この駅舎は銚子電鉄が開業した1923年(大正12年)当時のものだという。

2019年から96年前。ざっくり100年。時空が歪む。軽くめまいがする。

▲デハ801形

かつて腐食したまま放置されていたデハ801形。今ではレストアされて内部を見学できる。

入ってみよう。

デハ801型は、1950年に伊予鉄道で製造され、銚子電鉄には1985年に譲渡された。

2010年9月に営業運転終了。60年間、伊予と銚子で乗客を運び続け、静かに余生を送る。

そういうことを考えると、時間の流れが緩くなる。

なお、外川駅の乗車数は1日に150人ほど。それは銚子電鉄も苦しいわ……

関東東端の漁村 外川を歩く

外川は小さな漁村だ。次の電車が来るまでぶらっと歩いてみよう。

いきなり急勾配の下り坂が現れる。帰りはきつそうだ。

古来の様式の商店や、民宿や、

完全な廃屋や、

あるいは新しいシャレた民家もある。

関東平野の東端の、先っぽの土地にも、人々が住み、生活している。洗濯物や布団が干され、漁師っぽい親父さんが何か作業してたり、歩いているだけで生活の匂いを感じる。

外川駅はトイレだけは新しい

外川駅に戻った。

銚子駅まで切符を買った。なんと硬券。

2大醤油メーカーがしのぎを削る。

電車は1時間に1本ぐらい。

あらゆるものがクラシカルで朽ち果てようとしている。

しかしトイレは新しい。

銚子電鉄のやる気を感じる。

銚子電鉄車両は異空間だった

来た電車に乗った我々は、度肝を抜かれた。

千葉県のゆるキャラ、チーバくんで装飾された車内。

「電車修理代を稼がなくちゃ、いけないんです。」や、まずい棒など、他の鉄道会社には見られない攻めの姿勢を打ち出す銚子電鉄。経営は苦しいという。

ウイキペディアでその歴史を読めば、波乱万丈だ。

チーバくん尽くし、観光客には思わぬおもてなしだが、地元の乗客にどうなのだろう。

実際、我々は銚子から戻る際もこの車両に乗ったが、

正味な話、すでに少々、チーバくんをうるさく感じていた。

銚子電鉄は6.4km。外川駅から19分で銚子駅に着く。

銚子駅周辺を歩く

銚子駅前。

地方都市駅前らしい、さびれたメインストリート。

日焼け防止対策をしてやる気十分な人。

少し歩けばすぐに海。

クラシカルな建物が多い。

銚子駅周辺、一本路地を入れば、さらに面白そうなのだが、そろそろ時間切れ。

我々の「見知らぬ土地を究極までブラブラしたい」という願いは満たされたようだ。

次の巡礼へ。

モダンなJRと、進化を止めて数十年間の銚子電鉄。両者が接続する特異点。