LUMIX S1のために、サンディスクのCFexpress Type Bと、ProGrade DigitalのThunderbolt3カードリーダを入手したので、どれぐらいの速度が出るのか、計測してみた。
CFexpressはなぜややこしい?
デジカメのメモリーカードの新しい規格、CFexpress(しーえふえくすぷれす)。2019年12月に初めて製品が発売された。
私が入手したのは、正式には「CFexpress2.0 Type B」というメモリーカード。
2.0があるなら1.0もあるの? 規格だけはあったが製品は存在しない。
Type Bってどういう意味? Type AとType Cの規格もあるんだけど、2020年5月現在、製品はまだ存在しない。今後登場するらしい。
ややこしい。その背景については、以下のデジカメWatchの記事を読むと理解が進む。
CFexpressが誕生した背景には、過去にメモリーカードの規格が乱立し、それがユーザーとメーカー両者のためにならなかった、という反省があるらしい。
PCIe NVMeインターフェースということで、これはつまりCFexpressはSSDそのもの。廃れることなく長期的な規格となるんじゃないか、との期待も込めて、導入を決めた。
中身はSSDだから高速転送できる
CFexpress 2.0には、カードのサイズが3種ある。
- Type A 20.0×28.0×2.8mm SDカードよりやや小さい
- Type B 38.5×29.8×3.8mm LUMIX SやNIKON Zが採用したのはこれ
- Type C 54.0×74.0×4.8mm 名刺に近い大きさ
Type B、最高速度理論値が2,000MB/s。これがどのくらい速いのか。SDカードと比べてみよう。
SDカードの転送速度は、規格ごとに次のとおり。
- UHS-I 104MB/s
- UHS-II 312MB/s
UHS-I比較で約20倍、II比較で6.4倍も速い。
スペックと価格のバランスがいいサンディスク製を選んだ
▼買ったCFexpressはサンディスクの128GB
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読取り速度最大1700MB/秒、書込み速度最大1200MB/秒。スペックと価格のバランスがいいのでこれにした。
新しい規格なので、まだ製品数はそんなに多くない。
▼ソニー、読み取り速度はサンディスクと同じ、書き込みは若干速い。体感できるような違いではないだろうが
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▼プログレードデジタル、LUMIX SシリーズにはソフトウェアVer.1.5で対応した
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最大転送速度は読込1600MB/s、書込1000MB/s。サンディスクやソニーと比べると、ちょっと控えめなスペック。
Thunderbolt3接続のカードリーダも導入
CFexpressに記録した写真をMacに読み込むため、カードリーダも購入した。
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▼箱
▼入っているもの
右側中段の青いのはカードリーダを取り付けるためのプレート。金属製で、片面が粘着シートになっている。カードリーダの裏側は磁石になっているので、磁力で吸着できる仕組み。
iMacの裏側に貼り付けたら便利そうだが、抵抗ある。
▼サイズ感
CFexpressの小ささからすると、けっこう大きい。
▼iMacにつなげCFexpressカードを挿入
ところで、ProGrade Digitalのカードリーダにはもうひとつのタイプがある。SDカードとダブルスロットのもの。
そちらのほうが便利そう。値段も安い。しかし接続はUSB3.2 Gen2となる。迷ったが、CFexpress Bの特性を活かせるThunderbolt3接続のこちらを選んだ。
ではCFexpressのスピードを測ってみよう。
CFexpressをThunderbolt3接続したら激速だった
AmorphousDiskMarkで測定した。
CFexpressをThunderbolt3で
ものすごく速い
数百枚のraw画像もあっという間に転送完了する。中身はSSDだから当然か。
ではiMac内蔵のSSDと比較してみよう。
iMac内蔵のSSDと比較してみる
速くて当然だが……
iMacのSSD、読み込みは速いけど、書き込みはCFexpressに負けてない?
次に、LUMIX S1とiMacをUSB-C接続した場合の速度も、比較してみよう。
CFexpressをLUMIX S1のUSB-Cで
のんびり
LUMIX S1のUSB-CでiMacと接続すると、SDカードとCFexpressの両方を一度にマウントしてくれて、けっこう便利なのだが、それにしても遅すぎる。
SDXCのUHS-IをLUMIX S1のUSB-Cで
かなり遅い
こんなに違うのか……
SDXCのUHS-IをiMacのSDスロットで
USB-Cの2〜3倍に
けっこう速くなる。
CFexpressをLUMIX S1で使ってみたまとめ
ということで、CFexpress Type BをLUMIX S1で使い、Thunderbolt3からiMacで読み書きしてみた。
書き込みについては、iMac内蔵のSSDより速いという結果で驚いた。
この性能が生きるのは連写だろうか。近いうちに、連写したらどんな感じなのかを試してみたい。
- 2020-01-18初出
- 2020-04-14改訂
- 2020-05-27改訂