監獄式ボディビルディング(ポール・ウェイド著)を読んだ 人はなぜこれほど刑務所に引かれるのか

「プリズナートレーニング外伝」とのサブタイトルがついた本書は、「プリズナートレーニング」および「プリズナートレーニング 超絶‼グリップ&関節編」を補足するテキストだ。

刑務所に魅力を感じる男たち

刑務所に入りたいとは思わないが、なぜこれほど刑務所に引かれるのだろう。刑務所が、あれほど頻繁にアクション映画のステージとなるのは、私以外にも大勢の男たちが刑務所に魅力を感じている証拠だ。アクションスターたちは無実の罪だったり、すでに投獄されている重要人物から情報を得るために獄に入るのだが、囚人たちはけっこう楽しそうに刑務所ライフをエンジョイしているように見える。

「筋トレ」という、とても退屈で、習慣とするのが困難な行為に、「刑務所」という要素をプラスしてしまった著者ポール・ウェイドは偉大だ。ただの腕立て伏せも「これはザ・ファーム(アンゴラにある全米で最もタフな刑務所)で受け継がれてきたキャリステニクスなのだ」というストーリーを付加すれば、私はもう冷たい独房で復讐を誓い、一心不乱にトレーニングする囚人の気分だ。

ムショ帰りの男が説く なんだか凄そうな自重トレ伝説

はじめて「プリズナートレーニング」を読んだときは、B級アクション映画並みのうさんくささと、ウェイトトレーニングを繰り返しけなすウェイドの姿勢に辟易としたが、毎日プリトレして、わからないところを繰り返し読み、ちょっとずつステップが進むにつれ、ウェイドのテキストにはまってしまう自分がいた。これがもし、すらりとした裸のイケメンが表紙で笑う「自重トレでボディメイク!」というタイトルで、語り口も「健全なだけ」の本だと、私は書店で手に取りさえしなかったはずだ。

プリズナートレーニングの内容からすると、ビスケット・オリバが表紙に最適とはいえないが、アクション映画の刑務所のシーンに心をときめかせ、筋トレにはげむお兄ちゃんやオジさんたちの注意を引くには、なかなかいい人選なのかもしれない。

囚人は王のように眠る

自重トレーニングでどうやって筋肉を大きくするのか、というのが本書のテーマのひとつで、ウェイドはいつものクールな語り口で読者の疑問に答えていく。

ボディメイクの基本はどこまでいっても「鍛」「食」「休」であり、ウェイドの教えもやはりそれなのだが、アメリカのタフな刑務所で20年過ごしてきた男の語り口は一筋縄ではいかず、魅力にあふれている。

たとえば、睡眠について。現代人はテレビやスマホのせいで睡眠が足りていない。しかし「囚人は王のように眠る」とウェイドは言う。囚人に自由はなく、消灯時間まで管理されているわけだが、そのおかげでぐっすり眠れる。筋肉も成長する、というわけだ。

どんな筋トレのテキストにも、きちんと睡眠をとれば筋肉は成長する、ということは書いてあるわけだが、やっぱりダラダラと睡眠を削ってスマホをいじってしまう。しかしウェイドに「消灯!」と促されると、問答無用で寝なくてはならない気分になるのだ。

この記事を書いた人

カズナリ

カズナリ

雑記ブログ「カズログ」の中の人。1971年生まれ。180cm80kg。ブロガー/ひとり社長。ツイッターで捕まえた年が半分の嫁が自慢。好きなことは家族/会社経営/作文/筋トレ/写真/ノート術。