「BORN TO RUN 走るために生まれた -ウルトラランナーVS人類最強の“走る民族”」を読んだ

「BORN TO RUN」(走るために生まれた)とは本書に登場する狂ったように走り続ける人たちのことも指し、あるいはホモ・サピエンスそのものも指す。ヒトの身体は生まれながらに走るように設計されている。走るのは本能。生きるために走る。走ったからヒトに進化した。走るのが嫌いな私も、思わずジョギングに飛び出してしまったほど、熱い血の通う本だった。

危険な銅峡谷に酔狂なランナーたちが集う

メキシコ。銅峡谷。麻薬マフィアが跋扈し、転落や日光や毒蛇による死と隣り合わせの危険なエリア。わざわざそんなところで開催される過酷なレースに、酔狂なランナーが集う。彼らはみな変人で、社会不適合者っぽくもあるが、魅力的だ。カバーヨ・ブランコとか、スコット・ジュレクとか。走ることにより人格が磨かれていくのだろうか。

最後の「謝辞」のそのまたいちばん最後で、ある登場人物が取る行動は、世俗を超越して仙人レベルに達しており、ここまで語られた彼の経歴からするとやはり社会不適合者なのだろうが、肉体を持ったヒトが風景としてここまで美しくなれるのは、極限まで走り抜くことで不要なものを削ぎ落としてきたからだ、としか思えない。

ヒトの進化とランニングシューズの罪とウルトラマラソンドキュメントを巧みな構成で一冊にまとめた

ページをめくれば「調子に乗ったアメリカ人が書きなぐったテキストを直訳した本にありがちな読みづらさ」はあるが、それも最初だけ。あちこちに話が飛ぶので展開が速く退屈しない。しかもそれぞれのエピソードがつながりつつクライマックスのウルトラマラソンへと突き進んでいく構成はスリリングで巧み。書きなぐったような勢いも計算か。

現代ランナーの脚が痛むのは高機能なランニングシューズのせい。ヒトの祖先は走ることによってヒトに進化した。といった説も披露され、そもそもなぜヒトは走るのだろうかという疑問に一定の答えを出してくれる。エキサイティング。どこまで本当なのかは不明だけど。

しかし、地球上に最後に生き残った狩猟民たちの、走る狩りのようすは文句なしに美しい。彼らは俊敏に荒野を駆ける草食動物のウンコさえ見分け、ねらった獲物を走って追いつめる。ついには著者の想像のなかで、我々の祖先たちが、老いも若きも、赤子を背負った母までも、獲物を追って走りだす。

ヒザが痛いからつま先着地で走るのは間違いじゃなかった

かかとがフカフカのランニングシューズが登場するまでは、ランナーは狭いストライドで、つま先から着地して走っていた、という話がたびたび本書に登場する。

私は昔やってたラグビーと、長年やってるウェイトトレーニングの影響で、ヒザを悪くしてて、無理すると関節になにかを差し込むような鋭い痛みが出ることもあって、もう何年もできるだけ走らないようにしている。

電車に間に合わないとか、どうしても走らなくてはならないときは、歩幅を狭くしてそっとつま先から着地し、地面をかくようなフォームで走る。かかと着地だとヒザ関節に体重がダイレクトにかかるが、つま先着地だと足首とふくらはぎでショックを吸収できるので、ヒザが痛くないのだ。

そして、このようなフォームで走ろうとすると、フカフカのぶ厚いソールは邪魔で、ソールがペラペラなシューズがいい。

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オニツカタイガーのメキシコ66はペラペラで地下足袋のようなのだが、つま先着地にはそれがいい。

昔買ったアディダスの5本指シューズもペラペラでほぼ地下足袋で走りやすい。

本書があまりに面白く、走りたくなったのでひさしぶりにジョギングしてしまったほど。つま先着地走りが脚のためにあながち間違いでもないのなら、ちょっとジョギングを習慣にしてみようかな。

「BORN TO RUN」はKindleアンリミテッドの対象。Kindleアンリミテッドは初回30日間は無料体験できるので、お試しで読みたい本を読みまくって30日間以内に解約する、というのもあり。

BORN TO RUNに登場するトップレベルのランナー、スコット・ジュレクの本。次はこれ読んでみたい。

この記事を書いた人

カズナリ

カズナリ

雑記ブログ「カズログ」の中の人。1971年生まれ。180cm80kg。ブロガー/ひとり社長。ツイッターで捕まえた年が半分の嫁が自慢。好きなことは家族/会社経営/作文/筋トレ/写真/ノート術。